６ＢＭ８直結シングルアンプ

このアンプは、私が所属している「手作りアンプの会」の２００３年夏の大会でのテーマアンプ「６ＢＭ８競作」に参加するため作ってみたものです。

ねらいは小出力でも良いから何とかいい音を出したいと思い、作ったものです。結果は驚くほど良い音が出て、６ＢＭ８の実力を再認識しました。僅か２．５Ｗの小出力ながら比較的能率の高いスピーカなら（私のは９３ｄｂ）十分常用するだけの性能を持っていると思います。

回路の特徴、性能等は図面下部に書き込んでありますが、今回は設計段階で算出した各部の抵抗値などは修正無しで所要の電圧配分が得られました。直結回路ですが一度調整してしまうと極めて安定です。この電圧配分で出力管のプレート損失は７Ｗで、ほぼ定格一杯になります。

６ＢＭ８はＩｂ−Ｖｂ特性図を眺めて検討すると、２００Ｖあたりのプレート電圧が適当になります。これより高圧、電流増を図ると、すぐ定格プレート損失を超えてしまいますので、欲張れない球です。定格一杯の電圧配分なので、球を換えたりしたときは回路図下部のように調整をやり直すことになります。

写真で、シャーシ上に乗っている大型ケミコンは４５０Ｖ１０００μＦで、秋葉のジャンク屋さんで買ったものです。

シャーシは２０ｃｍ×２５ｃｍ厚さ１ｍｍのアルミ板を買ってきて、それに合せて家に有ったラワン角材を切って、木ねじ止めしたものです。この方式は、まず所要の大きさのアルミ板を求めて、それに合せて木材を工作するので、素人でも何とか綺麗に作れます。これでハムガ出ることはありません。

このアンプは、２万円程度で出来ますが、ケミコン類は結構高価で、この分で２万円をオーバーすることになってしまうかもしれません。使用したトランスは,電源用は大変使いやすく、いろいろな球のシングルアンプに適合するようです。出力トランスもユニバーサル型です。このトランスの音といってよいのかどうか分かりませんが、当該アンプでは、柔らかめの聴きやすい音がしています。